生産者向け情報
市場のしくみ
生産者 農家の方は、有機肥料を用いたり、農薬を減らしたりして、心をこめて作った野菜や果物を、農協や出荷団体へ出荷します。 |
|
農協・出荷団体 農家から出荷された野菜や果物を等階級(品質や大きさ)ごとに分けて、卸売市場へまとめて出荷します。 |
|
卸売市場 全国から集められた野菜や果物は、一品づつセリにかけられ、仲卸業者や小売業者へ売り渡されます。 |
|
仲卸業者・小売業者 卸売業者から買い取った野菜や果物は、消費者が買い求めやすい形や大きさに包装して、お店に売ります。 |
|
消費者 お店から、ほしい野菜や果物を買い求め、料理して食します。 |
市場の役割
- (1)品揃え(商品開発)機能
- 多様な品目、品質の品揃えを確保する機能
- (2)集分荷、物流機能
- 全国の産地から大量単品目の生鮮食料品等を集荷し、これらを組み合せて少量多品目へ迅速、確実、効率的に分荷し、配送する機能
- (3)価格形成機能
- 集積された需給情報を基に、迅速かつ公正な評価による透明性の高い価格形成を行う機能
- (4)決済機能
- 集積された需給情報を基に、迅速かつ公正な評価による透明性の高い価格形成を行う機能
- (5)情報受発信機能
- 需給に係る情報を収集し、川上、川下にそれぞれ伝達する機能
- (6)災害時対応機能
- 災害時に、ライフラインとして市民生活を支える機能
市場の種類と要件
区分 | 要件 | 関係者の許認可等 |
---|---|---|
中央 卸売市場 |
都道府県、20万人以上の人口を有する市、又は、これらが加入する一部事務組合が開設者となり、農林水産大臣の認可を受けて開設されるもの |
開設者・・・・・・農林水産大臣認可 卸売業者・・・・農林水産大臣許可 仲卸業者・・・・開設者許可 売買参加者・・開設者承認 |
地方 卸売市場 |
中央卸売市場以外の卸売市場で、その卸売場の面積が以下の規模以上のもの 青果物・・・330平方メートル 水産物・・・200平方メートル (産地魚市場・・・330平方メートル) 肉類・・・150平方メートル 花き・・・200平方メートル |
開設者・・・・・・都道府県知事許可 卸売業者・・・・都道府県知事許可 仲卸業者・・・・一般に開設者承認 売買参加者・・一般に開設者承認 |
政令規模 未満市場 |
中央卸売市場、地方卸売市場以外のもの | 都道府県の条例で必要な規制を行うことを妨げない開設者、卸売業者の届出による場合が多い |
5つの取引方法
- (1)【セリ】
- 仲卸業者、小売業者ら多数を相手に、卸売会社のセリ人が公開の場(卸売場)で出荷者から委託された野菜や果物を販売する方法で、仕入れ業者らは独特の手ぶり(指の形で示す符丁)や直径10cmほどの丸い黒板(ボンという)にチョークで値段を提示、最高値を提示した業者がその商品を買い取る仕組みが一般的。通常は値段を上げていくセリ上げ方式が取られています。
- (2)【入札】
- 値段を付けた札をセリ人に渡し、最高値の札を入れた業者に落札する方法。セリ人にとっては希望の値段を確保するためのセリ上げをできないのが難点。このため、一定の価格水準に達しない場合は「不調」として落札されない場合がある。
- (3)【相対】
- 輸入果物など規格が均一で、貯蔵性があるような商品はこの販売方法が普通。販売量が多い場合は単価を下げ、少ない場合は上げたりできる柔軟性をもつが、取引内容が公開のされないため不信感をもたれがち。
- (4)【予約相対】
- 一週間くらい前に価格と買い取り数量を予約しておく方法。卸売会社が事前に情報を入手、仕入れ業者に示して注文を取りますが、セリ品目との価格差が生じ易いのがネック。
- (5)【先取り】
- セリ時間前に販売する方法で、同一品目はセリの最高価格で販売されることになっています。昨今この先取りのシェアが増え、セリ・入札の形骸化をもたらしています。かつては病院食、学校給食、船舶用食など特定の用途に限られていましたが、いまではスーパー、外食などにも間口が広がり、「緊急」「優先」といった先取り方便は有名無実化しつつある。